オーストラリアの18.4%の子供が貧困層~全国児童保護週間に考える

NAPCAN poster
miku
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こんにちは。オーストラリアで幼児きょいくに携わって16年余り。

皆さんは、オーストラリアの貧困問題について聞いたことはありますか?

毎年9月の初めに、National Child Protection Week (全国児童保護週間)が来ます。
今年は9月の6日から12日までの一週間で、親、教師、コミュニティーのリーダーに向けて多くの研修が催されています。 私も教師として、毎年、児童虐待などは、知識と経験を積んで、子供たちの異変に気が付く必要性があるため、研修やセミナーなどを積極的に受けています。

今日、受けたオンラインの研修がとても、心に残り納得させられたので、皆さんにもシェアしたいと思います。

 

本記事の内容

子供たちの安全と健全さを守り続ける使命

National Child Protection Week 20 poster

これが、今年のモットーが描かれたポスターです。

”子供たちの安全と健全さを守り続けることはみんなの使命”

といったところでしょうか。

皆が

⋆子供たちにとって安全でないことを見たら声を上げる
⋆子供たちと尊敬をもって会話し、彼らのアイディアにを価値を見出し行動にする
⋆家庭をサポートすることによって、子供たちが成長繁栄するよう手助けする
⋆子供たちが安全で、生き生きと遊び、学べる場所を提供する

 

5人に1人の子供が貧困層

全国児童保護週間は、今年で30周年を迎えたと、今回サイトに行ってみて初めて知りました。
同時に、30年たった今でも、子供たちのを取り巻く家庭環境、貧困、虐待、経済的不公平さなどの現実は改善されず、

今でも、オーストラリア国内を統計的にみると、
6.7%が裕福層で、18.4%が貧困層になる
と研修でデーターが出ていました。

Reference by Centre for community Child Health, by Professor Sharon Goldfield 

5人に1人の子供は、社会的、経済的理由で貧困層のままで大人になるということです。

 

そんなことはない、教育、本人の向上心によって、どうにでも人生は変えられると、信じたいところですが、Goldfield教授の説明によると、

Once a child falls behind, he or she is likely to remain behind…
Impoverished early environments are powerful predictors of adult failure on a number of social and economic dimensions.

(Quote by James Heckman, 2006)

”一度子供に社会からこぼれ落ちると、その子供は、そのまま、落ちたままになる可能性になる… 
貧しい幼児期の環境は、社会的および経済的側面から、
大人になった時の失敗を予測する強力な因子になる。”

 

この引用文は、限りない可能性を秘めた、子供たちの成長と将来を願って日々、彼らと接している私にとっては、厳しい現実に響くと同時に「ああ、やっぱりそうか」という気持ちもありました。

体験上、生活環境、貧困、虐待などの悪循環はジェネレーションを超えて、次世代でも繰り返してしまうことを知っているからです。 でも、じゃあ、社会的、経済的に恵まれていない子供たちをそのままにしておいたら、問題はいつまでも、解決しないのです。

 

私がオーストラリアでいろいろな人に巡り会って、知った現実について書いている記事があります。

オーストラリア内の、家庭内暴力は私たち日本人が考えているよりも
ずっと深刻で根深い社会問題です。

 

 

Equality(平等さ)と Equity(公平さ)の違い

 

今日の、研修で、もう一つ、納得して、私自身も心にとめて保育しようと再確認したことがあります。

よく幼児教育界の研修で見るモットーですが、次のポスターがズバリ、的確に表現しています。

Equality and Equity

Equality and Equity の説明

 

これは、

左側の絵が 平等さ

中央の絵が 公正さ

右側の絵が 現実社会

を表しているそうです。

私たち大人は、何でも平等にという言葉を使いたがります。が、それぞれの特異性や、違いを考えずに、全ての人に同じものを与えることは、実は
平等に見えて、万人には優しくないのです。

その人それぞれに合った、助け、教育用品、経済的な援助などを与えてこそ、初めて、公正さが出る。それを表しているのが、中央の絵です。

教師として、30人の子供たちを教育していく上で、どれくらい子供のバックグラウンドを考えて、公正な機会、手助け、思いやりを与えているでしょうか… 十分なサポートを施しているでしょうか。と考えさせられる絵です。

そして、一番右側の絵。一目見て不公平さ、誰もが不平等とわかる絵が、今のオーストラリアの現状だと説明を受けました。必要のないほどの高さの踏み台に乗った6.7%の裕福層と、ゲーム観戦を少しも見ることも、踏み台一個さえも与えられない18.4%の貧困層にいる子供たち。

教師として、一番右側の絵のような家庭環境で育った子供にたいして、どのような心掛けで
接することが必要でしょうか?

安心してお友達と関わったり、先生の話をじっくりと座って聞いていられるような、
身体的、環境的、心理的なサポートがどこまで受けられているのでしょうか?

学ぶまえに、住、食、衣で困っていることはないでしょうか?
家にかえったら、愛するお母さんが、家庭内で暴力を受けたりしていることはないでしょうか?

考えさせられます。

 

これからの怖い推測‐メンタルヘルスは増加傾向

最後に、オーストラリアはメンタルヘルス(精神的疾患)に問題のある人が多い国でもあります。
16歳あたり、思春期から、精神のバランスを壊したり、病的な疾患になる率が高くなると、うちの子供が高校生の時、父兄あてのワークショップに行き、知りました。

オーストラリア政府の発表している ”The Mental Health of Children and Adolescents – 子供と思春期児童のメンタルヘルス”のレポートを見ました。 コロナ禍以前のデータでしたが、社会的、経済的に不利な環境にいる子供たちの発病がいかに多いか、一番、不利な立場の統計に挙げられていた、無職のシングルペアレントの家庭の子供たちでは、約30%もメンタル疾患を占めているというデータが出ていました。3人に1人の割合です。

 

データを見せながら教授は、「このデータが、あくまでもコロナ危機以前のものであって、今回のコロナ禍による影響で、職を失い、家族が壊れ、精神のバランスを崩した人たちがこれからもっと増える。このデータはこれからもっと、高くなるのです」と強調していたのが、とても印象的でした。

 

そんな、社会にならないよう、他人のことには、口出ししないとか、自分には関係ないという態度でなく、私たち一人一人ができることを再確認し、子供たちを守っていけるよう、勇気をもって行動したいものです。

 

このサイトを訪れてくださったあなたに、サムネイルのポスターの言葉を、心にとめてほしいです。

今日あなたがするささやかな事…
微笑み、耳を傾けて聞く、話す、聞えてくるもの、遊び、気づくこと。
それらは全て、子供の明日に関わるものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NAPCAN poster

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