あなたの地域は大丈夫? 家を買うなら地域の汚染も考慮しよう

Environment pollution

コロナ禍で長引くロックダウンにも関わらず、高騰し続ける不動産の価格。 
私が住むメルボルンは、年末まで22%の不動産価格の上昇が予測されています。


そもそも、人生で一番高価な買い物とされる家を買うのも大きな決断が要りますが、ここオーストラリアで、
家探しをして、おひとり様の稼ぎでローンを組んで、不動産手続きの交渉をしようとしている私。

今回の家探し体験を通じて、新しい学びや発見したことは多々ありますが、その中でも、へえ~全く知らなかったという
環境汚染の情報について記しておこうと思います。 
知らなかったということで、後で困ったことにならないように、情報を共有しておきます。

本記事の内容

家の購入は長い道のり

オーストラリアに住んで、数々の職種に臨んで、オージーの中で働いてきたり、結婚、離婚を経験し、子供を育てながら
いろいろと体験してきましたが、ハッキリ言って、家探しは楽なことではありません。

一般人の私が場数を踏んできたわけではない、法的な手続きの事がからんできますし、アラフィフになった今、
方向性を間違って判断したら、即、引退後の老後の生活に影響が出てくると分かっているからです。

オーストラリアで家を購入しようと思っているなら、たいていの人は、とにかく、頭金をできるだけ貯金して、
それから以下のような手順で、家の購入を考えると思います。

家探しの大まかな手順
  1. 購入する物件の設定
  2. 情報収集
  3. 銀行や、お金を融資してもらうためのブローカーなどに連絡
  4. 物件探しー価格が設定してあるPrivate Saleか、Auctionと呼ばれる競売で購入
  5. 購入の意思表示をして弁護士、またはコンベンサーと呼ばれる不動産専門の弁護士の手配。
  6. 契約書を確認してもらい、融資の申請
  7. 建物やペストがいないかどうかの検査の手配
  8. 決済
  9. 引き渡し

何度も物件の購入や取引に通じている人は、慣れているかもしれませんが、一つ一つのプロセスをくくりぬけていくには
体力、気力として、判断力が必要となってきます。 

「うん、この地域で、これくらいの値段で、この条件で物件を
探していこう」

と思っても、不動産価格はどんどん白熱していっているわけで、
オークションでは設定していた価格よりも、600万から1千万以上価格をあげた上で購入しなければいかないことも、
当たり前の状況になっているのが現状です。

「もしかしたら、この不動産高騰のこの時期に、家を買おうとしているのは、時期的に間違っているのかな?
もう少し待って置いたら、マーケットはクラッシュするかも。」

という考えも浮かばないわけではありません。 
しかし、去年、コロナの自粛が始まった当初から、各業界の専門家の長期予想にはんして、不動産業界はクラッシュが起こるどころか、需要は高まるばかりで、価格の下落には至っていません。


一昨日の新聞では

2021年度末までの不動産価格想定
  • 人々の生活感、仕事と家族、住み方の考え方が変貌してきた。
  • 海外旅行にも行かれない、銀行の金利も低い今、投資として不動産に注目が集まっている
  • 政府の家購入のインセンティブなどを利用しようとする人が業界を底上げ

    などの理由で、今年中このまま22%ほど不動産価格は上昇するであろうという見解が出ていました。

引用:the guardian

私も、実際に毎週末、マーケットに上がる物件を見て、実際に足を運び内覧して、不動産業者と話をしても、
マーケットに暗い影は全く見えず、市場に出た物件は、あっという間に誰かが奪っていく状態です。

何だか、物件の購入を検討、時間と暇をかけて大きな買い物をするかどうか、考えている間に、
誰かが少しでもいいと思ったものは、さっと横から物件をつかみどっていくような印象を受け、
まさに人々がFOMOに陥る理由がわかります。

 

EPA ってご存じですか?

購入を考えている物件があった場合、契約書を手に入れることができるのですが、その中で、
EPA Certificateと呼ばれるものがあることに、今まで知りませんでした。
でも、コンベンサーと話している段階で、この書類が実は、後々のためにも、とても重要であることに気が付きました。

EPAとは、The Environment Protection Authority Victoria の略で、要するに、環境規制当局という機関です。 
週に7日間、24時間体制で、しっかりと開いていて、大気、土壌、水道汚染などが報告された場合、直ちに対応がとれるようになっているような管轄であることを、今回初めて知りました。

EPA Certificateが契約書の中に入っていないよ。

というコンベンサーからのメールで、契約書の中に、物件の土壌や水道などが汚染されていない、EPAの問題地域に
入っていないという、その一枚の証明書を提出してもらうこともできると、知りました。

私は、今住んでいる場所で、環境や治安面で危ない目にほとんどあったことがないので、頭が平和ボケしていたのかもしれませんが、今回のアドバイスにしたがって、EPAのウェブサイトに行き、購入希望エリアの地域について調べてみました。

EPA air data graph
EPA Victoriaのサイトにいくと、居住地域の環境について住所を入力することでデーターを調べることができます。

上記のようなメルボルン都市部の大まかな大気環境状態だけでなくて、住所をそのまま打ち込んで、地図見ると
どこの土壌に問題があるのか、汚染された水が土壌に流れ込んでいる可能性があるのかどうかを調べることができました。

そして、今回、初めて問題があるとは気が付いていなかった地域が、かつて1940年代から80年代までの爆薬工場跡地で、
土壌が汚染されているエリアがあるということも、知りました。

そんな話、まるでジュリアロバーツ主演の映画、”エレンブロコビッチ”のような話そのままのようだわね~。 

私が渡豪したのが90年代初めだから、この問題が公になっていたのは
私が来る前だったんだね。

若いジェネレーションの友人はもとより、年配の同僚もそんな地域があることも、EPAという当局があるということも知らない人が多かったですが、私の信頼するオーストラリア人の友人はちゃんと知っていました。
その地域は土壌が汚染されていて、そこでとれた農作物や、家庭菜園もできないということも。

何も知らずに、物件という大きなお買い物をしてしまっている人がいたらと考えると怖いですね。
長期的に済むことで受ける体への被害についても考えると、もっと恐ろしいです。

自分の権利として書類は取り寄せてもらっておく

このEPAの書類は、一枚、$70ほどで発行してもらえるらしいので、真剣に購入を考えている物件があったなら、手に入れておいた方がいいに越したことはないと思います。

でも、スタンダードな契約書では省かれている場合が多くあって、今回たまたま私のコンベンサーが見つけてくれた時、
”後からの事を考えて、取り寄せておいた方がいいと思うよ。”というアドバイスの元に、相手の弁護士に
提出をお願いしました。

仲介の不動産業者からは、
”ここのエリアで、土壌の汚染だとか環境だとかは聞いたことがないからね~。
EPAレポートを提出してほしいというのも、デベロッパーでない限りはあまりないんだよね~。”と、
何となく、要注意姿勢をとっている私の姿勢を笑われたような気がしました。


でも、ここは海外ですから、後で、”大丈夫だと思った。”とか、”当時の仲介業者は何も言っていなかった。”と
言っても、責任は、書面で確認を取らなかった自分に降りかかってきます。

ということで、ちゃんと、EPAの書類も、自分の権利として入手すべしという新しいことも、この体験から
学びました。

まとめ

ということで、今回、また新たに新しいお勉強をさせていただきました。

やっぱり、長く住んでいても、体験したり、見たり聞いたりしたことのない情報には疎いということでしょう。


私は、何かプロジェクトを進める時に、できるだけ人様に助けを求めずにできるだけ自分で対処したいという気持ちで
今までやってくることが多かったのですが、謙虚に、人様に聞いて、アドバイスを頂いて、教えていただくという姿勢も
大事だと最近つくづく感じています。

だって、まさか、汚染された土壌の上にそのまま土をもって、そこに新興住宅地を建てて、人が住んでいるなんてこと、
私の発想からは想像つかなかったわけですから。

今回、家探しの中で知り合い顔見知りになって色々と情報を提供してくれる、不動産業者の方、コンベンサーの方、そして、
私の周りにいる心強い友人らには、それぞれが個別に、私に必要な情報を与えてくれたり、助けとなってくれています。


自分一人でと、突っ張るのでなくて、”貴重な情報を教えてくれてありがとう。”と頂いたアドバイスを、
謙遜に受けとめて、今後も、幸せで平和な老後を送れるよう、前進していきたいと思います。

Environment pollution

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