2022年共同声明。VICとNSW州の幼稚園が無料化されるってどういうこと?

play base

 6月の中旬に、ビクトリア州とニューサウスウェールズ州の州知事が、


”向こう10年間に向けて週に30時間の幼稚園教育を無料化する”

という共同声明を出しました。

それぞれの州で、実際にこの政策が始まるには、大きな課題を抱えていて、同時に始まるわけではないと
発表されていますが、この記事では、私が働いているビクトリア州について、現段階で
分かっている情報をまとめてみたいと思います。

本記事の内容

ヴィクトリア州幼児教育大改革 -90億ドルの予算

ビクトリア州は、来年から展開を開始する90億ドルのプログラムで、州全体の幼児教育を変革すると発表しています。

オーストラリア経済が躍進を遂げるには、
女性の力が大切。
それには、女性が安心して子供を預けられる場所を。 

という、政策も理解できますが、
やはり、

人生形成の土台になる、
幼児教育にお金を使ったほうが、
将来、見返りが大きいと、
ヨーロッパ諸国では既に、常識となっている通説が、
州政府を動かしたことは、
喜ばしい改革と言ってよいでしょう。


これまでの幼稚園教育改革で、既に多くの課題

2023年からは、週15時間の4歳児幼稚園プログラムの完全無料化。 
3歳児幼稚園プログラムは、週に5時間から10時間までの補助金支給と、現段階では発表されています。

6月16日の大掛かりな幼児教育改革発表前に、
幼稚園サービスを管轄する各市役所や、私立の園などの各機関は、
2023年度の園児募集をかけていて、
多くの家庭の保護者も、来年度の子供の幼稚園プログラム、加えて、保育施設などの計画を立てているところでした。

2022年から正規に開始された、3歳児幼稚園プログラムも週に5時間から10時間までのクラスが
各園で用意されて、各家庭の選択に合わせて、プログラムを選べるようになっているのが、
特徴でした。

2023年度の新しい目玉として…

3歳児と4歳児が1つのクラスの中で、混合で保育を受けるという保育案が
多くの機関で提案されているのが、特徴的になっています。

この理由としては…
幼稚園プログラムを担当する、大卒の有資格者の幼稚園教師が足りないということと、
年齢別に分けたクラスを運営する施設が足りていないというダブルパンチが原因になっています。

child in construction

幼稚教育業界では、大卒の幼稚園教師が圧倒的に足りない


3年前に開始された、小学校へ上がるまで(ヴィクトリア州では、プレップと呼ばれています)に、
全ての4歳児が週に15時間の幼稚園教育を受けられるように、補助金を出す。という改革で、
既に、6000人の教師が足りないと予測されていました。

加えて、新型コロナで、
”ワクチン接種を拒否する教育者は、業界では、働くことができない”
政策がビクトリア州の教育省から取られて、
ただでさえ人材不足であった、幼児教育学界にさらなる波紋を呼びました。

そして、2022年から始まった、3歳児幼稚園プログラムの補助金導入。
これで、より多くの3歳児が入園してくることになり、また、幼稚園教師が足りなくなりました。

どれくらい幼稚園教師、および、Diplomaの資格を持った幼児教育者が不足しているかというと…

この冬に大流行した、風邪とコロナ感染で、病欠を取らなければならなくなった多くの同業者。
通常では、有資格者が登録している、外部のエージェントなどから、
人材を派遣してもらい、幼稚園の通常保育を行うところですが、
そのエージェントにも、派遣できる人材確保が無く、
”先生が見つからないため、本日の保育は閉鎖=学級閉鎖”という
異例の対策を取らなければいけないほど切迫していました。

ビクトリア州教育省が推薦している数多くの優遇処置

もちろん、現状況に陥る前から、
教育省は、幼児教育業界内の、有資格者の人災不足は認識していて、
多くの優遇処置も取ってきました。

*幼児教育を勉強したい人のための奨学金制度

*Diplomaをすでに習得していて、さらに大学で学位を取って、幼稚園教師に資格をアップグレードしたい人のための、18か月で資格が取れる短期プログラム

*経済的な理由で、大学へ行かれない人のための、奨学金サポートや、子育て中の人には保育園補助

*都市だけでなく、地方都市へ移動して幼稚園で働きたい人のための、移動費(リローケション)補助金制度

*幼稚園教師の資格を取って、永住権の申請がしやすくなるような優遇処置

こんなに、優遇されて資格をアップグレードするならば
今しかない!と、50代を超えた方々も、
続々と大学や、指定のTAFEで短期コースに入学していると聞いています。

でも、即、人材不足の軽減、解決法になるかと言ったら、
それは別で、時間がかかるのが事実ですよね。

2023年の幼児教育に関わる方々へ今の段階で分かっていること まとめ

向こう10年間で大改革となる幼児教育界。

ビクトリア州が掲げる幼児教育政策。

2025年実施に向けた、
4歳児の子供たちが週に30時間、小学校教育と同じように、毎日幼稚園に通える、
幼稚園プログラム。

保育の内容はあくまでも、遊びを中心とした保育(Playbase)。

という教育省が、掲げた大掛かりな幼児教育大改革案。

理想案が実施されるには、
有資格者の人材確保、
幼稚園/保育園施設の増設、
3歳児園児も含めた
混合保育の導入、見直し案など、

これからの課題は山積みです。

結論から申しますと、
この大規模な見直しの発表が行われたばかりの現場では、
来年度のクラス編成をどうするか、
一日保育園に預けて、1万円以上の保育料を負担する親御さんが、
週に15時間は政府の補助金が出る、学期制の幼稚園(Stand Alone)に多少なりとも
入園を考える人は多いはずで、
園児数、職員数などの、見直しを余儀なくされることは
間違いありません。

kindergarten setting
今後、新たに50以上の幼稚園プログラムを行う施設が新設されると発表されています。(どこに…⁈)

余談ですが、
今回のビクトリア州政府の大改革発表は、
教育省で働く人、そして、現に幼稚園教育を運営している
現場の職員にとっても、
”寝耳に水 (えっ嘘でしょ?)”というほど、
突発的だったようで、
業界にも、混乱を巻き起こしています。

お子さんがちょうど幼児期にあるご家庭の親御さんたちは、
2023年度以降、どこに子供を預けられるのか、どんなプログラムがいくらで利用できるのか、
ハッキリさせたいところでしょう。

勤務時間との絡みもあることだし、
2023年度の予定をいつになったら立てられるのかと聞かれたら、
どの機関も、まだ答えに詰まることだと思います。


でも、皆さん、もう少しお待ちください。

幼稚園プログラムを設置している現場では、
大混乱状態で、管理職側も、
「まだはっきりとしたことは言いかねるし、決めかねている」
という段階です。
(私も職場の管理職につく上司でさえ、不確かでした。)

今後、各機関が、どのようなサービスを打ち出してくるのか、
最新ニュースに目をひからせて
今後に備えましょう。

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