いま自分にとって大切なことは何だろう

child flying kite

この14日間、私と成人している息子は、ずーっと家で自宅検疫中でおこもり状態でした。
息子の職場でコロナの陽性患者となった同僚がでて、息子が濃厚接触者として保健省に自宅謹慎の指示を受けたからです。

同居している私は、その同僚と接触することはなかったものの、第一次濃厚接触者である息子と共に住んでいるので
おなじく、14日間の検疫となりました。

結論から言うと、連絡を受けた初日に受けたコロナウイルスのテストも、自宅検疫が終わる最終日の前、13日目に受けた
テストも息子共々、陰性でしたので問題なく社会に戻れます。
でもこの間、息子は、万が一のことを考えて、私とは生活を別にしていました。 

私は、食事も息子の部屋の前に届けて、別々に取る生活でした。


2人の陰性結果がでて、息子と久しぶりにリビングルームで食事を一緒にしたときに、
たまたま昔話が会話にでてきました。

毎日を忙しいと駆け足でこなしている私たちですが、たまには立ち止まってみるのも必要だなと
思い出して、とくに子育て時代、もっとゆっくりと楽しめばよかったのにという
後悔の念も少し感じながら、この詩を送ります。

本記事の内容

もし、もう一度子育てをやり直せるのなら

皆さんは、ダイアナ ルーマンズという人の詩を読んだことがありますか? 
カリフォルニア州在住の、作家、詩人、そしてライフコーチである彼女がだしている有名な詩があります。

Diana Loomans検索すると、必ず” If I had my child to raise over again…” という英語の有名な引用がでてくると思います。
英文では、英語のRhyme =韻で詩が書かれていますので、日本語にそのまま直すと意味が通じなくなります。
でも、大体の内容としてはこんな感じです。

”私がもし、もう一度、子供を育てることができるのなら、
私は最初に自尊心を築くことにして、家事は後回しにするでしょう。
もっとフィンガーペイントを楽しんで、指を立てて指摘することを減らすでしょう。
あれこれとコレクション(修正)に時間を費やすよりも、コネクション(関わり)に
より多くの時間を使うでしょう。
自分の視線を時計から離して、もっと自分の目でしっかりと子供を見るでしょう。
余計なことを知りたいと思わず、より大切なことに気をかけるでしょう。
もっとハイキングをして、もっと凧揚げをするでしょう。
子供に神経質になるのをやめて、もっとたくさん真剣に遊ぶでしょう。
もっと多くの野山を駆け巡って、もっと多くの星をみあげるでしょう。
私はもっとしっかり抱きしめて、引っ張ったりしないようにするでしょう。
樫の木のどんぐりをもっとよく見るでしょう。
私はそれほど堅固にならず、もっと子供を肯定するでしょう。
権力を大事にすることを見せるよりも、愛することの偉大さについてもっと教えるでしょう。”

引用:ダイアナ ルーマンズ 

その昔この詩に初めて出会ったとき、何て真実を語っているんだろうと衝撃を受けました。
ここ数年は、子供の手を引っ張って、次の予定先へ、次の習い事へと急ぎ足で立ち去る親、
または、「ママ見てよ~」と子供に言われているのに、いつも視線は手元のスマホを追っている人が多いので、
毎年、母の日のカードへこの詩を貼り付けて子供からのプレゼントに忍ばせて、私のクラスのご父兄には送っています。

そういう私も、
同じようなことをしてしまっていた時代があります。
いつも、『早く、早く!』と少しでも、次のスケジュールを早く、そつなく済むように息子をせかしている
昔の自分がいたことを思い出します。

もっと心と時間に余裕をもって、
大事な成長の過程を楽しめばよかったのにね。 
ごめんね。いまさらだけど。

と、久しぶりにぽかぽかとお日様の降り注ぐリビングルームで、息子とゆっくりコーヒーを飲みながら、
ふと、昔のことを振り返る時間がもてました。

『ごめん、ママも、若かったから。 
一人で、オーストラリアで子育てしてきて、一生懸命だったから。』と、
伝えましたが、そんなどうでもいい言い訳は、小さかった息子にとっては関係のない話ですね。

でも、あの頃、息子がまだ小さかった時、一人で働きながら異国の地でシングルマザーとして子育てして、
あまり立ち止まったり、振り返ったりする間もなかった時代。

その時は、大変ということも自覚せず、ただただ、明日のスケジュール、今週、今学期という予定を
こなすことに懸命で、どれくらい小さなことに目を向けられていただろうかと、
今さらながら考えます。

Coffee and donuts
自宅でこもっている間、職場の同僚が元気を出してというメッセージと一緒に箱入りドーナツを送ってきてくれました。
日本人の友人も、大きな花束、気分がまぎれるように新聞、カップケーキやリラックスできるようにアイマスクなどなど
気持ちのこもった贈り物を届けてくれました。全く予想もしていなかったときに、人の優しさに触れて本当に嬉しかったです。

今この瞬間を大切にしているか

子育てって、その瞬間は一生懸命で、大変だったり、上手くいかなかったり、長い間のように感じますが、
子供が成人して、手がかからなくなると、「短かったかも」と振り返ってみると感じます。

ダイアナさんの詩のように、もう巣立っていこうとする子供と一緒に思い切り野山を駆け巡ったり、
真剣に遊び回ることはないけれども、大変だと思った子育て時代、それはかけがえのない時だったんだなと、
終わった今だからこそ分かります。

この14日間、コロナに感染しているかもしれない疑惑のかかった息子に、せっせと毎日3食運びましたが、
”Thanks mum❤”と言われるたびに、何だか手をかけて子育てをしていたあの忙しかった昔を思い出しました。

時間は、戻ることはなく、
その時に一緒に過ごす人、
自分が選ぶ優先順位を間違えずにつけて過ごしているだろうかと、ふと考えました。 

限られた時間、貴重な自分の時間を割くからこそ、
本当に必要なひと、もの、体験に
これからの時間もつかっていきたいともう一度、考えさせられたひとときになりました。

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