【最近の幼児教育界】子供にWellbeingの大切さを教える

eye catch with meditated dwarf

日本とオーストラリアの両国で26年以上にわたり幼児教育に携わり、
「国が変わると理想とされる良い子の評価も全く違ってくる」
ということを実感しています。

今回はここオーストラリアの幼児教育で、近年、カリキュラムの中で、
子供たちのウェルネス(英語ではWellbeing)=心の健康、静止して内面を見つめることで感じる幸福感
重要視されてきていることについて書いてみようと思います。

子供であっても、一個の人権、そして自分自身に合った問題解決法をとれるようサポートする
という概念がある今の考え方。

この記事を読んだ後、日本で教育を受けた、親御さんや先生たちが、海外での幼児教育の
今について、少し理解できると思います。

本記事の内容

海外では早くから自律を目指す教育方針

先ず、オーストラリアのでは、子供たちは幼児期から一人の個として、個性を伸ばし、自律することが重きが置かれています。赤ん坊の時から、親とは別室のコットの中で寝るよう教えられるのもこう言った理念が背景にあるからでしょう。

去年からの新型コロナウイルスによるパンデミックで、社会の動きがめまぐるしく変化しています。 表面化はしていないかもしれませんが、閉鎖的になりがちな個々の家庭では、働き方の変化を含む様々な変化、戸惑い、不安感、経済的な圧迫などに、直面しているかもしれません。

子供の目から見ると、絶対的安心のシンボルである親、一緒に暮らす家族が、コロナの中で
かつてない問題に直面しているとしたら、例え、それを口や態度で表していなくても、
幼児は感じることができるのです。 なぜなら、子供は大人が思っている以上に、親や家族の変化や感情に敏感で、その気持ちの波に左右されるものだからです。

そんな中で、子供のWellbeingを大切にしよう、今の心の状態をゆっくりと、見つめて
気持ちの浮き沈みにながされないように、教えようという取り組みが盛んになってきています。

子供たちのWellbeing=今の自分の心にじっと目を向ける。

って、一言でいってもとても難しいかもしれません。
大人でも、瞑想を行おうとすると、たちまち自分の頭に浮かんでくる様々な雑念に圧倒されますから。

心と身体の調和的健康を重視して、子供たち自身がコントロールできるように指導しようとする動きは、
豪州だけでなく、他の国でも積極的に取り入れられているようです。

ニュースで、英国や米国でも学校のカリキュラムにWellbeingや瞑想を取り入れているものを
見ました。

子供にWellbeingをどう教えるか?

オーストラリアは、The Early Years Learning Framework Professional Learning Programという政府の、
幼児教育のガイドラインが設定されて長くありません。

教師は主な理念に沿って、保育計画を立てますが、いちいち具体的に何を、どうやって教えなければいけないという
決まりは一切ありません。

したがって、教師独自の考え方や、経験、重点的に意識して子供に教えたいことが、変わってきます。 
繰り返しになりますが、大よそのカリキュラムは、国や、州のガイドラインで形作られていますが、
教師によってやりかたはそれぞれですので。

その1:さまざまな感情を言語化して表現できるようにする

ここに出す例は、あくまでも私が実行しているプランです。

私は、まず、子供たちの心の中にわいてくる様々な感情について気が付かせることから始めます。4歳から、5歳ともなればほとんどの子供は、楽しい、嬉しい、怒り、悲しみ、心配、
不安、などの感情を区別して認識することができます。

そして、それを言語化できるようにします。

miku
miku

”怒ってるってどんな気持ち?”
”身体や心はどう変わる”

Smily boy
Smily boy

”OOちゃんが、おもちゃを黙って取ったときに、体のなかが
熱くなって、嫌な気持ちで硬くなる!”

など。 結構、子供は、面白い表現をしてくれますが、一つ一つの感情がそれぞれの場面で
出てくることは、当たり前であること。 気持ちによって、体や、心にも変化がでることを
学びます。

追加になりますが…
嫉妬や、イライラ、疲労感、退屈感などは、抽象的で、理解しがたい感情になるようなので、基本の感情が理解できた後に、これらの感情については具体的に教えます。

私はよくイラストや絵本などを視覚的教材として使い、子供たちの理解を深めるようにします。解決法を探すのは、
その次の段階になります。

その2:自分に合う解決法を探す

保健省や、子供のWellbeingをサポートするNGO機関が、子供が理解しやすいように
役立つ図解ポスターや、資料を作っていることが多いので、それらを使って、
子供たちと一緒にいろいろな解決法について話します。

⋆深い呼吸をする
⋆ゆっくりと数を数えてみる
⋆コップ一杯の水を飲む
⋆音楽を聴いてみる
⋆ブランコや、ロッキングホースにのって体を揺らしてみる
⋆お絵描きやパズルをしてみる

など、どれも日常的に簡単に選択できそうな、具体的な解決法です。

どの解決法が1番自分にとってしっくりくるか発言させたり、お家の人がどんな解決法を
取っているのかなど、子供に合ったレベルのグループディスカッションをしたりします。

Teaching how to calm down
子供たちが気持ちを落ち着かせられるために、手段としてとりいれられる選択肢が図解されています。 お部屋にポスターとして貼っています。
girls standing surrounded of stress relief options
子供でも理解しやすいように、様々なストレス退治法が絵で表示されています。  レモンを手にとって握りしめてみる、身体の筋肉をほぐす、ろうそくや花の香りをかぐなど面白いものもありますね。 引用:Save the children

解決法のポスターを見ながら、

うちのママはねいつもイライラすると外に散歩に行くんだよ

うちのパパはね、体を動かすのが1番だって言ってたよ。

など、それぞれよく見ているな~という発言も、子供たちから発せられます。
子供でもしっかりとそれぞれの感情に向き合うことによって人や親に頼らず、自分自身で
自分のWellbeingを保つことができる、そういう大人を目指すのです。

こんな動画を見せたら子供に大好評

感情に作用されたり、イライラや怒りに任せて、それを態度に出したり、ましてやお友達を傷つけたりするような行為を取らないように、どう、感情のコントロールをできるようになるのか。

他にも、何か、子供に理解しやすいようなものはないかと探していたら、ありました。

meditated dwarf

Jackという男の子が、
ゆっくり目を閉じて瞑想をするYoutube動画。
(コピーライトに違反しないためにも、

ここでは無料画像にさし替えて画像を使っておきましょう)

fish in the water

心は池に例えられています。
池の中には、色々な魚がいて…
嬉しい気持ち、憂鬱な気持ち、怒りの気持ち、それらは魚となって池の中を泳いでいます。
でも、Jackはあくまでも、池です。
魚ではありません。
いちいち、その気持ちに作用されて、動き回るものではないのです。
池ですから。

この5分強の動画を見たときに、”これは理解しやすい。 使えるかも!”と思って、
瞑想時に、静かな環境の中で、見せてみたら、物凄く好評で。
シーンと、静まり返った池が、お部屋の中に、沢山出来ました。 (笑)

瞑想をした後、子供たちに感想を聞いてみると、

Smily boy
Smily boy

身体がふわっとして、リラックスできた感じ。
眠たくなった~。

など、体感できているようです。

5歳児にして、リラックスを体感できるなんてすごいですよね。

子供にとって抽象的な概念は理解しにくい

ここまで書くと、

日本の子供に比べてオーストラリアの子供の発達や成熟度は、ずっと早いか?

というと決して、そういうわけでもありません。

ここは、移民の国で、家庭によって子供に教える倫理観や、
基本的な考え方が、そのお国柄や親の受けてきたしつけや教育レベルで、全く異なるので、
日本であれば当たり前だと考えるような倫理観は、どの子供にもあるわけではありません。

最近、絵本の中に出てきた、’善い行い’、’人に親切にするってどういう意味’について、
話しあう機会がありました。

5歳の子供たちにとって、親切って、どういう行いを指すものなのか。
その理解度はまちまちでした。

「今日はね、OOちゃんがOO君のことに、こんなことをしてあげているのを
先生は見つけたよ。それって、すごく親切だね。

こうやって、私が意図的に具体例を出して、よい行いについて気が付かせないと、
まだまだそれが、親切心や、思いやりであることを認識できる子がいません。

若干、人として5年しか生きてきてない子供は大人がリードして意図的に、道徳心や、倫理観を教えていかなければないところもたくさんありますね。

まとめ

このように早くから、子供たちの自律心育て、大人が直接手助けしなくても、子供自身で、
心の中の変化や、ざわつきに気が付き、自分で解決策をみつけ、穏やかさを取り戻す方法は、
子供たちの個を尊重して、信じて待ってあげようと言う概念が根本にあるからでしょう。

子供は、大人の指導が必要だし、選択させる機会もあまり与えず、主導権はあくまでも大人
という日本よりもずっと進んでいるのではと思います。

教師によってはグループで学ぶことよりもあまり重きをかない人もいますが、私は
グループディスカッションなどを積極的に取り入れて、みんなで考えたり発言しあったりしながら、社会性を育てるとともに、情緒、問題解決を習得できるような機会を、
保育の中で実践しています。

親としてどんな子育てのゴールを目指すのかそれは人それぞれでしょう。

子供だからと幼児扱いせず、幼児期から子供の内面の個の人格に目を向けて、
その時々で、必要な子育ての方法や導き方を、変えていくことが大事なのではないかなと
私は思います。

eye catch with meditated dwarf

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