【海外で副業】サポートワーカーのお仕事~体験記1登録とお仕事開始時

Many hands on the tree

国から、障害や高齢化などの理由で補助金をもらっている方々へ、
彼らのご自宅へを尋ねて、
その人に必要なサポートを行う仕事があります。

Miku

サポートワーカーとして働くには、いくつか方法があります。
本格的に施設で働く場合には、資格が要りますが、
私の始めたものは、自分で個人事業主の手続きを取って始める方法です。

本記事の内容

Mableというクライアントさんとサポートワーカーをつなぐプラットフォームへ登録

今後を見据えて、サポートワーカーという副業を始めてみるという話は、別記事で書きました。


仕事を通して、困っている人にサポートしながら自分の強みを生かす。
しかも、そのサポートを利用するクライアントさんは、
サービス提供者に、国の支援金から支払うことができる仕組みがある。

その仕組みを知って、私はメインの幼稚園教師の仕事のサブとして、
サポートワーカーでお仕事派遣の媒体へ登録してみることにしました。

もしかしたら、興味がある方がいらっしゃるかもしれないので、登録方法について書いておきます。

サポートワーカーとして登録できる二つの媒体のうち、
Hireupの方は、コロナ禍で失業した人が仕事を開始し始めたせいか、
サポートワーカーの受け入れは一時的に止めているということでしたが、
Mableには登録することができました

注:コロナが治まってきた今現在では、Hireupの方も、
雇用を開始しているようです。

Mableへの登録方法 Step by Step

登録に当たっては、身元の確かな人をサポートを必要とする人の自宅へ送るわけですから、
もちろん、いろいろと審査があります。

登録前の審査は全てオンラインですが書類をアップロードすることが必要です。

1.自分の仕事の経験履歴

2.今までかかわってきた障害の種類、救急法以外にもどんな資格があるのか
私の場合は、現職教師として毎年一度、First Aid、CPR、喘息の介助、糖尿病児のインシュリン処方、ダウン症児、聴力障害児、発達障害児などの経験があるのでこれらを記入しました。

3.過去に刑法に違反していないかの証明、Working with Children Check
これらも、州に教師として登録している証明があるので、全て問題なくクリアできました。
教師の登録証明があっても、もう一度、全国の刑法違反者でないか再チェックされましたが。

4.ABNナンバー(Australian Business Number)
個人事業主としてオーストラリア政府に登録してもらえるのが、ABNナンバーです。
Mableは、クライアントさんとサポートワーカーをつなげるプラットフォームであって、
私たちを雇うわけではないので、個人で稼ぐ=個人事業主になることが必須でした。
在豪して25年になりますが、今までやってきた全ての仕事は雇用者がいたのでABNをもっておらず、今回初めて、自分の会社を作り登録しました。初体験です。💦

5.二人の身元保証人
この身元保証人は記入しても、直に電話で人物照会されないことが多いのですが、今回は
二人の保証人にきちんと問い合わせがきたそうです。

6.仕事可能な曜日、時間帯の記入。希望時給記入、銀行口座などの事務的な手続き
何と、Mableのお仕事は、自分で希望する時給をアップするんです。
プロフィールを読んでその時給でもOKのクライアントさんと交渉してお仕事が決まります。

7.NDISのウェブサイトに行き、NDISに関わる仕事をする前の4つほどのモジュールを
オンラインで
マスターし、終了証明書をもらう。

基礎的な知識。NDISとはどんな仕組みなのか。
障害のある方でも、人権、自分で選ぶ権利があるので、そこを無視しないようにというようなオンライン講座でした。 この証明なしでは登録不可能です。

8.自分のプロフィールと写真をアップロードしてサイトに表示

お仕事を依頼したいクライアントの方が、サイトで検索できるよう
できる限りの情報、経験、自己アピールなどを書いてアップロードします。

登録まで、面倒な手続き、特に個人主としてビジネス名を設立しなければいけないなど
数日の日数を要することもありましたが、何とか無事に全てをクリアすることができました。

難しいというよりも、手続き上面倒なプロセスがかなりたくさんあります。

完全に登録完了するまで、日数がかかるとみておいた方がいいです。

いよいよ仕事検索を開始

登録を終えて、はれて、サポートワーカーさんのサービスを必要とする人が出す、広告を、
直接、目にできるサイトに自分のプロフィールも載せました。
メルボルン全域で、サービスを必要としている広告を、検索してみることもできます。
自分の、働きたい日、時間、条件などを入れて、クライアントさんとマッチするかどうか
お試しすることもできるようになりました。
そして、いよいよ私の方へもお仕事依頼の通知が来ることにもなりました。
supporting senior

NDIS – National Disability Insurance Scheme をもらっている方が多く登録されている
サイトなので、何らかの障害があったり、年齢が上がりお世話が必要という意味で、
サポートワーカーの急募をかけている方が主です。

医療補助を必要とする方から、
高齢になって家の掃除や家事をする人を必要とする方まで、様々なニーズがあります。

お仕事内容によって、看護士や、Aged Care Workerの資格などが必要なものから、
無資格で、高齢者や一人ぼっちで生活している方の話し相手や、
医療を必要としない家事一般のお世話まで多岐にわたると、
お仕事一覧の掲載をみて把握できました。

私の幼児教育界における経験、資格が生かせるような仕事も、かなりの量が、広告ページに
登場していました。

  • 自閉症の子供のサポートをしてほしい
  • 言語障害の子供と一緒に遊ぶ。セラピーの合間にもっと遊びから刺激を与えてほしい。
  • 放課後、発達障害を持つ子供の相手をしてほしい。
  • 全く、言葉が出ない子供がいるが、話せるようにしてほしい。
そんなお仕事依頼の中から、

先天的な遺伝子疾患を持つ2歳児のヘルプを
是非お願いしたい。
言語セラピスト、身体機能作業療法士はついているから、
それらを組み入れてどんどん遊びの中で

発達を促してほしい。

という依頼が飛び込んできました。

クライアントさんの希望で、直接、ご自宅に伺って、
お子さんに会って、お仕事内容を確認する運びとなりました。

実際にクライアントさんに会って、お断りすることになった事情

wooden block play

先天的な遺伝子疾患の病名は、事前には教えていただけなかったのですが、 実際に会ってみると、赤ちゃんは、知らない私を見ると、興味深そうに近寄ってきました。

口からミルクはまだ飲み込むことができないので、おなかにチューブが通っていて、 そこからミルクを時間ごとに与えるPEGFedという
授乳方法 (口頭授乳でなく、チューブを通して直接胃に栄養を取る方法)をとっている、
2歳児の男の子でした。

ご両親とお話しながら、どんなサービスを提供してほしいのか聞きつつ、 男の子と合間に、
一緒に遊び始めてみると、その子もすぐに慣れ、笑顔を見せてくれて。
セラピストがやっていることを、遊びに取り入れて世話をしてほしい。 何度もオペをしていたせいで、自分の身の回りのこと、家のことが全くできないご両親に代わって、 アシストしてほしい。ずっと、この先、家族のサポートとしてかかわっていってほしい。というご意向でした。
その時は、できないこともないかな…

でも、医療行為が入るので、
私の資格外のエリアに入ってしまうかもしれない。 
確認してから、仕事をお受けできるかどうかとお伝えして、
帰路につきました。

帰宅後、Mableの方へ問い合わせてみると、そこら辺の事情、何かあったときに私に対して、
また、クライアントさんに対して保険でカバーされるのか、たらいまわしにされましたが、
結論がでました。

PEG Fedという特殊な授乳方法が、私のサポートワーカーの資格外にあたるので、
何か事故があった場合、
保険でカバーされない。😱

ということが分かりました。

結果、お仕事をお引き受けできないと、クライアントさんの先方へ伝えると、
ご両親には、

「この授乳方法は、自分たちでさえ初めはできなかったけど、誰でもなれればできるものだよ。
資格がなくても大丈夫だよ。」

と何度も何度も、このお仕事を引き受けるよう説得されましたが、私は丁重にお断りしました。
万が一、何かあった場合のことを考え、
しかも、資格外で保険でカバーされないと分かってしまった以上、
お引き受けすることはできませんでした。😓

プライベートに一線を引く

このクライアントさんに会えて、そしてお断りすることになってしまったけれども、
この仕事をすることの現実を少しの間でも垣間見ることができて、よかったと思いました。

わずかな時間でしたが、ご両親がとても高く評価してくださって、
何度も「助けてほしい、家族の力になってほしい」と言われながらもお断りするのは、
心苦しかったですが、
この体験を通して、1:1で子供、家族と関わるということは
いろいろな意味で濃厚な接触になるんだなと、
改めて実感することができました。

仕事内容以外の事、特に医療関係に関わることは、
*  例え頼まれて人助けと言われても、資格外だから関わってはいけない。
*  サポートも時間が来たら失礼します。

と、きちんとしたお仕事対応で取り組まないと、
家族の中に、ずるずると入って、感情的にどっぷりとつかってしまうことになり、
プロフェッショナルの関係でいられなくなるのかもしれないということも、
感じました。

今回のクライアントさんが、最後に


「今1人来てもらっているサポートワーカーさんは、無資格で、
Mikuのように救急法もCPRも、何の資格があるわけでないのに、
承諾して、PEG Fedの管のバルブを開けて、授乳を手伝ってくれる。
なのになぜ… (Mikuは承諾してくれないのか、怖くないのに)」


というようなことを言われました。

そのサポートワーカーさんが、自分の資格以上の仕事内容を引き受けて、万が一事故を起こしてしまった場合。

ごめんなさいで済ませられるのだろうか。」と、
他人事ながら、心配してしまいました。

まとめ

この赤ちゃんの場合は、絶対に看護士の資格を持った人をサポーターで雇うべきなのに、
そこらへんがうやむやになっているこのNDIS業界って、
自分で仕事を引き受ける前に調べて、
仕事内容を確認し、保険までも確認しなければならない分、
そんなに簡単じゃないなと、考えさせられました。

そのクライアントさんの家は、赤ちゃんのPEG Fedで使われる医療用のボトル、
チューブ、そして消毒液が入った段ボールでお部屋はぎゅうぎゅうでした。

玄関には、いつ、赤ちゃんの容態が変わって病院へ行ってもいいように、
大きな病院お泊りセットバッグがドーンと三つ用意してありました。

20年以上、子供たちと関わってきて、様々な発達、行動、家庭の問題と関わってきましたが、
それ以前に、生存の問題がある子供と関わることは、今まであまり
なかったんだな~と考えさせられました。

教えていただいた先天的な遺伝子疾患の病名も、
2万人に1人という珍しいもので、
子供と関わってきた私も、今回初めて聞いた、遺伝子疾患でした。

いつでも病院へお泊りいけるように用意されたバッグを見たときは、
とても切なくなりましたが、
あの2歳の大きな目をした男の子が、
これからどんどん体力をつけて、
無事に成長していってくれればと祈ってやみません。

Mother holds child's hand
Many hands on the tree

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