2023年度の新学期は始まって早1か月。
本日、幼稚園では恒例の
年度初めの教師と父兄の個人面談を
終わらせることができました。
オーストラリアは移民者の数も多く、
ご父兄の中には、
「先生の考え方、教え方、体罰の与え方、全てお任せいたします。
自分の子供に、お仕置きをされても一切、文句は言いません。😨」
などと、先生に全てお任せのご父兄もいて、
お国柄が明確に出た面談でもありました。

もちろん、
オーストラリアでは、体罰は一切致しませんし、
認められていませんということを
しっかりと説明しました。
在豪されて間もない方々でしたので…
一日中、ずーっと30人近いクラスの父兄と話しながら、
ちょっと感じたことをまとめてみたいと思います。
何もしないフリーな日があってもいい
毎年、必ず出てくる父兄面談での話題は、
- お友達問題ーお友達と仲良く遊べているか
- 言葉や発達に関する心配事
- 小学校へ上がる準備について
- 好き嫌いや、生活習慣についての問題
そして、かなりの数で上がるのが
”習い事について”です。
大切な子供にできるだけ可能性を伸ばしてあげたい。
できる限りの事はさせてあげたい!
という親心は、よーく理解できます。
でも、ハッキリ言って、
1週間のスケジュールと詰め込まずに、
あえて何もしないで、
天気に応じて公園へ行ったり、
ぼーっと遊んだりする日があってもいいんですよ。
何も、与えずに子供が自分で自由に、遊ぶ日があってもいいんです。
車でお出かけせずに、ずーっと家、庭、近所の公園で遊んだり、
子供と一緒にただ、食事の支度をするだけの日であってもいいんです。
一緒に子供とおしゃべりして、
食事の支度をすることも、
言語能力、手先の器用さ、問題解決法、材料を計ったり混ぜたりすることで得られる
数学的、科学的な考え方などなどが、身に付きますから。
そんなような話を伝えると、



そういわれれば、そうですね。
何だか、
安心しました。
とホットされるご父兄。
スマホがあって、SNS情報時代に生きる、20-40代のご父兄たち。
他の人の生活が容赦なく目に、耳に入ってくるのでしょう。
そして、気づかぬ間に比べてしまうのだと思います。
仕方がないことです、
意識的に超過情報をシャットアウトしないと
ついつい比べてしまうのが人間ですから。
以前、親ばかりが焦って、
早期教育(詰め込み教育)をさせてしまっていないか…という記事を書きました。
関連記事として興味のある方はお読みください。


あれもこれもでなく 遊びを通して包括的に学ぶ
オーストラリアは島国で、
海に囲まれている国ですから、
習い事に小さいうちからスイミングをさせておく、
というのは理解できます。
歌や踊りといったPerforming Artが好きでさせているというのも
まあまあ、子供の興味を引き延ばしたいという
親心からくるものでしょう。と分かります。
でも、文字や数字を習わせるコーチングスクールって、
要らないもんだと、
26年教職に携わってきてはっきりと言えます。
あれは、ある意味、親の不安感に付け込んだ、ビジネスだと思います。
子供は年齢にふさわしい体験、発達段階を踏んだら、
自然に、文字や数字に興味を持ったり、
ペンをもって、文字らしき謎のくねくね線を、紙に書いたりし始めます。
その時が、学ぶRediness、教えるタイミングです。
名前の一文字を一緒に書いて遊ぶのもいいでしょう。
車を運転しながら、名前の文字を、窓から、移り行く街並みや、広告で、
探してみるゲームをするのもいいでしょう。
そういう遊びの中に、学びを取り入れる知恵って、
忙しいスケジュールに追われている時、
余裕が無くて、
できずに終わるかもしれません。
今、幼児番組で大人気のBLUEY という番組が、オーストラリアでもアメリカでも
人気があるとよく話題になっています。


ご存じの方も多いと思いますが、
BLUEYは、いつも遊んでいますよ~。
コーチングスクールにも通わず。
習い事もせず。
いつも、お父さん、お母さんを巻き込んで
家族全員で遊んでいます。
子供は、遊ぶことが仕事ですから。
遊びを通して、脳を働かせて、自分の周りの人、物、生き物、概念などを
理解していきますから。
幼児教育本を
コピーしてきたわけでなく、
よく遊ぶ子供は、伸びるな~と
実体験で感じる私です。
何が一番大切か - 情緒面を育てたい
今日、最後にご夫婦で面談にいらした家族がいました。
一日の最後の家族ということもあり、
私も気持ち的、時間的に余裕があったのか、
ゆっくりとお話することができました。
コロナ禍の面談ではないので、
相手の顔や表情を見ながら、
笑いも交えて、お話できたのもよかったのかもしれません。
親として、小学校へ上がらせる前に、何を一番大切にしたいか。
というような話題になり、



名前が書けるとか、文字が読めるとかでなくて、
人の気持ちがわかる、
他のひとを尊重しながら、協力しあえる力を
つけてほしい。
そういう情緒面を大切にしたいんです。
と、はっきり伝えられた方がいて、
それが、口先だけでなくて、
心から、夫婦そろっての願いだとこちらに伝わってきて
素晴らしい考え方だな。
まだ、他の人の考えや、トレンドに流されず
しっかりとした考え方をもって
子育てされている若夫婦だなと、
感銘を受けました。



子育てて、
何を一番大切にしていますか?と、
聞かれたら、
私は何と答えられるかな…
と、今日の面談から考えさせられました。