一昨日、朝日新聞のネットニュースで、他人事とは思えない記事を目にしました。
引用:朝日新聞デジタル
熊本の保育園でコロナウイルスのクラスターが派生したという記事でしたが、
この記事を書いている2021年の9月現在で、
オーストラリアのヴィクトリア州では、
幼児教育に関わる職員は、
子供の保育をする際にマスク着用の義務はない。
とはっきりと定義されていますので、職員はマスク着用せずに保育しています。
幼稚園で、子供たちの保育に関わっている私としては、
他人事ではないという気持ちになり、幼稚園など集団生活をする中での
コロナ対策について書いてみることにしました。
コロナ感染は絶対大丈夫ということはないのが実態
これまで全く、医療関係者などを除いて、マスクをする全く習慣のなかった、
このオーストラリアで、今、通りを散歩する人、食料の買い物をする人が、
きちんとマスクを着用していることに、私は、
『よくここまで短期間で普及できたものだ』と、
内心驚いています。
移民の国であるがゆえに、自分の考え、習慣、人は人という意識がほとんどの国民の根底に
あるため、中々、国が音頭をとっても同じルールを共有しにくいと、私は感じていましたが、
やはり、前代未聞のコロナパンデミック中の中、人々の意識は変わったのでしょう。
大事な子供たちを預かる幼稚園・保育園でも、国の指導、ビクトリア州の文部省の指導に従い、
昨年から、数多くの、方針が取られてきました。
例えば、2020年度に取られた対策としては:
*子供たちの登園時、熱の測定をして37.5c以上ある子供は建物内に入れない
⋆登園、終了時のお迎えに父兄と関わる時は、職員も父兄もマスク着用
⋆父兄や、ビジターは建物内に入れない
⋆基本、子供が触ったものは全て消毒、拭き掃除
⋆子供にも、20秒間の手洗い徹底
⋆保育中も、できるだけ換気、ソーシャルディスタンスを徹底する
⋆園外保育、保育中の調理遊び、恒例の園児記念撮影などは全て禁止。
などでしてが、数々のコロナウイルスに関する研究や分析から、少しずつ、対応も
変化してきました。
2021年9月の現段階では、全ての園児に対して、熱の測定をしなくていいことになりましたし、
全てのおもちゃや、園庭の遊具を消毒、清掃することは、不可能なので
そこらへんも、緩和されてきました。

なぜマスクは義務化されていないのか?
そして、一番初めに挙げた、マスクの件ですが、
という問題は、あくまでも、個人の判断に任されています。
感染の不安が、どうしても払拭できない、安全とは考えられないと思う職員は、
自分の意志で、マスクを保育中も着用していてもいいことになっています。
去年までは、その感染の恐怖から、保育中、ずっと医療用ゴム手袋をしている
同僚もいましたが、政府の医療チームが、その実践は、手洗いの習慣を
極端に減らすことになるし、かえってゴム手袋をしていることで、
弊害があるという見解から、禁止になりました。(保育中に子供と関わっている間
ずっとゴム手袋をつけていることは禁止ですが、勿論、掃除や、消毒時などは
使用義務づけです。)
今でこそ、子供たちも、大人のマスク顔に慣れてきていますが、
幼児と関わるという立場上、顔半分を隠した先生が保育をこなすのに、不便は多いのです。
といった、問題が出てくるのです。
先生の健康はどうやって守る? 子供を通して感染する可能性あり
では、一切、保育者のマスク着用は、禁止にすればいいのかというと、そう簡単な問題でも
ありません。
今では、子供も、現時点でコロナに感染することは知られていますし、
子供が感染源になって、子供を介して、大人へウイルスをうつすことも
解明されてきました。
感染力の高い、デルタ種や、他の国では、別の変異体もどんどん出てきている状態です。
つまり、マスクなしで、子供たちと日々、接している教師らは、かなりのリスクに
直面していることになります。
実際、ソーシャルメディアでは、不安を訴える同業者たちも多いです。
“一クラスに(平均)30名ほどの園児がいる環境では、ソーシャルディスタンスは守れない。マスクしたとしても、感染の確率は高い。”
“マスクをしないといけないような環境だったら、そこに登園してくる子供や職員は安全とはいえない。そもそも保育するべきでないのでは? 学校同様一斉閉鎖にするべき。”
“子供の発達を考えたら、マスクを外して表情を見せながら、保育する大切さは分かるけど、子供から感染して、愛する家族を犠牲にはしたくない。”
どれも納得できる主張です。
私が続する役所も、政府の方針に従いコロナの対策は立てているし、
万が一、感染の不安からメンタルヘルスを崩したり、自分や家族の安全を守れないという
不信があって、これ以上は仕事を続けられないと感じている場合は、
”短期休職”や、”メンタルヘルスのカウンセリングをうけること”などが、
推奨されています。
現在のビクトリア州文部省の見解では:
公共の場所と違い、幼稚園保育園の環境下では、
人の出入りも限定していて、感染を拡大させないような効果的な
対策が取られているから。
(大丈夫だろうという判断らしいですが)
朝日ネットニュースを見た私としては、熊本のクラスターが、他人事は思えません。
職員同士で”お互いの安全を守ること”を確認
ロックダウンも長引き、家から仕事をするご父兄の中には、子供を迎えに来る際に、
『家で、人と関わることなく仕事をしていたので、ついマスクをしてくるのを忘れてしまった。』と、マスクなしで、子供のお迎えに来てしまったり、
保育終了後は、人の密を防ぐために、立ち話なしで、さっさと帰宅するべきなのに、
園庭でちょっと長話をしてしまうというケースも増えてきています。😓
皆、ロックダウンに疲れて、陽気も、少し、春めいてきているし、
話したいのは分かります。
後、1週間すれば、春休みにもはいるという気持ちも、少し、気が緩んできている
要因になっているとも取れます。

いろいろな理由で気の緩みもでてきているけど、
最後まで、子供、家族、そしてお互い、職員間の安全を守るために、基本に立ち返って、ベストを尽くそう。
と、私のチーム内の同僚らと話しました。
日本のニュースをもちろん知る由もなかった同僚らですが、
その事実を話したら、結構、震えあがって、私の意見に大賛成して、
換気、掃除、消毒を頑張ってやってくれていました。
皆さんも、色々な理由で、精神的、心理的に、疲れが出ているかもしれませんが、
お互いの安全を守るために、もう一度するべきことを徹底して、
自分と、自分に関わる全ての愛する人をまもりましょう。
追加情報
デルタ種の感染が活発化して、感染者もロックダウンしているにもかかわらず、減らないメルボルン。
Term3が終了する前の週、ビクトリア州教育省からは、
相変わらず教師に対して、速報が送られてきます。
そこには、”できるだけ外で、換気のいい場所で保育をするようにしよう!”と書いてあるのに気が付きました。
以前は、書かれていなかった一文。
子供を介しても、感染することが分かっているコロナウイルスの変異体。
どんどん、最新情報を取り入れて、自分、子供たち、ご父兄、そして職場の同僚を守る必要がありますね。