たった一刺しされど毒は回る
メルボルンの都市部から約120㎞程離れた郊外に住む、子供の父親、元夫のS。
1エーカーの広い庭に設置している蜂箱から、

「はちみつをとる作業をするから見においでよ~」
というお誘いがかかり、私は、昨日から田舎へやってきました。
彼の意図としては、
「メルボルン都市部に住んでいる私たちに、
田舎体験をさせてあげたい!」
ということらしいですが、私としては、用が入って一緒に来られないという息子の代わりに、心配なので作業の様子を見にやってきたのです。
というのも、蜂にまつわるエピソードがあるからです。
去年、初のはちみつ収穫を一人でやっていた時に、手が滑り、蜂を刺激させてしまい、チクッと蜂の一刺しを瞼に受けたS。
Sは、目を大きく腫らしたまま、とれたてのはちみつや、自分が庭で作った農作物をもって、私たちの住む家へやってきました。
その腫れた顔を見たとたん、

「何やってんの⁉
蜂アレルギーのショックで、死んじゃうよ。
ちゃんと、養蜂用の作業服や、万が一蜂に刺されてまたショックで応急処置を受ける前に心臓が止まらないよう、エピペン(ショックを受けたときに刺す救急用のアドレナリン注射)を用意しないなら、
はちみつなんか、届けないで!」と、
批難ごうごう。😤
それ以来、Sは、素直に、養蜂用の作業服を用意し、
蜂を鎮める燻煙器を購入して真面目に、
養蜂に取り組み始めたのでした。
その事件直後の、去年の、私の元夫への誕生日プレゼントは、
”緊急用のアドレナリン注射” でした。
あれから一年、蜂がたくさん蜜を集めているようで、収穫する時がやってきたというので、二人で作業をして安全確保‼です。
準備周到に作業開始

燻製器を使い煙で蜂を鎮める作業が大事
Sが用意してくれている、養蜂用作業着に着替え、ズボンの裾からも、もぞもぞと蜂が入ってこないように、ゴムでふさぎ、準備万端。
蜂の動きを鎮める、燻煙器なるもので、煙を焚いて、蜂箱の周りに散らします。
私は、この週末、軽装でスパッツしか持ってこなかったので、
(軽率な私。トホホ😅)、
彼の長ズボンを借りました。が、その色が紺だったので、
蜂に襲われる可能性大ということで、離れて写真係りになっていました。
前回の、失敗から学んだようで、Sも今回は慎重な動き。ずるっと手を滑らせることもなく、ゆっくり蜂蜜と蜜ろうがたっぷりとついている板を取り出していました。
遠心分離機に蜂蜜のたっぷりとついた板を二枚入れて。。。

黄金のはちみつ 表面に白く見えるものはWax.これで蝋燭を作ることができます。
温めたナイフで、表面のワックスを削り取り、遠心分離機にかけて、
ぐるぐるレバーを回すと、板から黄金のはちみつが器械の中で、
分離されて下にたまる仕組みです。

遠心分離機 - 初めに考えた人は頭がいいね。🤩
スーッとする味わい ”天然のはちみつは違う”
こうしたかなり、べたべたくっつく作業過程と、待ち時間を経て
ようやく手にした黄金のはちみつがこちら。

Homemade Honey
なめてみると、混ざりけのない、純粋な蜂蜜の味がします。
ついでにいうと、免疫力向上のために、家に常備して時々、体力が落ちたと思ったときに愛用する、マヌカハニーの味もかすかにするではないですか~。
それは、気のせいではなく、マヌカも庭に植えてあるし、オーストラリア原産のガムツリー、柑橘類の花、ラベンダー、ローズメリーが庭にわんさかと植えてあるからだそう。
そして、今回初めて、言われて気が付いたのですが、
どうりで、何となく、
マヌカハニーに似た、ハーブっぽいスーッとするような味わい?が
するわけですね。

メラルーカの木
そんなこんなで、お手伝いに来たはずの私ですが、
あまり、大してお役に立てたとも思えず。
でも、今回、誰も、蜂の一刺しを受けることもなく、無事に、
この黄金の輝きを放つ自然の恵みを受けることができて、
青い空の元、また一つオージーライフを満喫することができました。
この甘~い、天然の恵みを大事に持って、メルボルンへの帰路につきます。