
今週初めに、ニュースで先月Twitterに載って、5万8千回のいいね!がついて大反響を呼んだとういう写真を見ました。
”40分間の幼稚園の
リモートラーニングで、気分は最悪”
ああ~、わかります、わかります。 この椅子にのけぞってしまっている子に、同情します。😭
40分も集中して画面を見続けるって、無理だよね。
メルボルンの自粛規制が厳しくなり、幼稚園/保育園も閉鎖された今回のStage4では、条件に合った以外の子供たちは、完全に自宅でリモートラーニングとなりました。
リモートラーニングについては、ビクトリア州教育省も、幼稚園経営元や、教師あてに
小学校同様、Zoomなどのオンラインに切り替えて、
朝の会を開いて、他の子供たちと短い間交わったり、
先生が本を読んだり、ぬいぐるみを使ってパペットショーをしたりと、
まるでエンターテイナーさながらの芸を演出したりといったことをして、
げっそり😨している教師もいると聞きました。
私も、5回シリーズで開催された
”幼稚園児をオンラインで教える”ワークショップに参加して、
新しいAppや、ヴァーチャル上に絵本を作ったり、videoをその絵本に組み込んで、
メールで子供たちに送って園だよりにしたりなど、
へ~、そんなことができるんだ。」など、新しいことも学びました。
でも、幼稚園って、
オンラインで座って耳からはいったことを頭に入れるタイプの学びではないですよね。
身体、手、目、耳、五感全部を使って、お友達の言っていることを聞いたり、
自分も一緒に参加したりしながら、総合的に学ぶものなので、
ずーっとオンライン一本で全てを学ぶことは、無理があると思うのです。
いくら、Flexibleにとか、Innovationとか、言われても、ちょっとね~という違和感は、
個人的にはぬぐえません。

誰かが始めた、遊びに協力して、どんどん学びが大きくなる。
「こうしようぜ」
「違うよ、この方がいいよ」
「ああ、そういうやり方もあるんだ~」
と、ああだこうだ、友達と遊びながら、新しいスキルを身につけたり、協調性、社会性が身についていく。
泥んこになりながら、パイプを通して水や、ボールを通らせて、物理学の基本を体を使って理解する。 そんな場が、幼稚園なんです。

自分だけでは、できなかったことも、お友達が助けてくれて、教えてくれてできるようになることもあるんです。
今まで、生まれてきて4年間の間に経験したことがなくて、やるのがちょっと怖かったり、勇気がなかったりしても、お友達が一緒だと
「やってみようかな…」という気になって。
新しいことに挑戦できる機会が、きっかけが、ころころ転がっているのが、集団生活の中には
あるんです。

一人で遊ぶより、お友達と遊ぶのって楽しいな。 お友達ができるのって、嬉しいな。 こんなことすると、お友達って嫌なんだな、じゃあ、今度からするのはやめよう。
お友達や先生の話をきいて、語彙も増えて、こんな言い方もあるんだな、面白いな、私も話を聞いてもらいたいな。一緒に、会話の中に入りたいな、仲間って、認められたいなっていう気持ちがわいてくる。
皆で力を合わせて、一緒に笑って、ときどき
喧嘩して。 そして、また仲直りする。
その術をしらない子は、先生に助けてもらいながら、お友達と仲直りする方法を学ぶ。

お家では、いつも、自分が家族の中心で、しゃべりっぱなしの子供も、集団の中で、
”人の話を聞くことも大事だ”と初めて知る。
自分が、しゃべりたい分だけ、お友達もしゃべりたい。順番に話す側、聞く側に役回りを交代する、それが会話だと、
体験から学ぶ。
失敗しても、お友達や、先生は自分をそのまま認めてくれるという、安心感、ここに所属しているという
コミュニティの意識を育む場所。

これをオンラインで、全てやるのはね~。一言で表すと厳しいです。😩
そして、実際のところ…
親御さんたちも、リモートラーニング、もううんざりムードのようです。
ビクトリア州教育省と、管理部門からのプレッシャーで、私たちも園を挙げて、リモートラーニングのウェブサイトのご案内を毎週のようにして来たり、お家で作ったり、手を使って遊んだりできる毛糸遊びや、パズルを貸し出ししたり、あの手この手でリモートラーニングのサポートをしてきましたが、実際にどれくらい役に立っているのか、お家で、紹介しているアクティビティーは、実践されているのか…

何となく、
「違う。ご父兄が求めているのは、これ以上の情報でないのではないか?」
「私たちが一生懸命、これでもか、これでもかとあれこれ紹介している情報は、ご父兄にとって、救いになるというより、プレッシャーになっているのではないのかな…」と考え始めて、何人かのご父兄に実際のところの本音を訪ねてみると。
やっぱり、思った通りでした。

「申し訳ありません。送られてくる添付ファイルのアクティビティー全てを開けて子供にさせる時間は、仕事と家事の合間にはありません」
「一個アクティビティーをやらせようと思ったら、準備して、させて、片付けて。もうそれだけで、いっぱいいっぱいだから、一日一個ぐらいしかさせられません」
という、本音が聞こえてきました。
いいんです、それが、普通のご家庭の事情でしょう。
ということで、私は、最後の2週間は、新しいアクティビティーを送るよりも、
ご父兄が負担にならないように、一緒に、お散歩したり、クッキングをしたりすること事体が、
すでに言葉や、数、常識の学習になっているからいいんですよ。
自分にプレッシャーかけないでいいんです、お母さん!
というお便りを出しました。
2週間のスクールホリデーが終わって、子供たちがTerm4に戻ってきたら、また、初期の段階へ戻って、
集団生活のきまりごとや、一日の流れから始めないといけないかな~と、プログラムのプランを立てているところです。
小さいお子さんをお持ちの皆さま。 一日に、一度でも、しっかりと子供の相手をしてあげて、一緒に遊んだり、散歩したり。なんでもいいんです。皆さんが、イライラしないで、余裕をもって一緒に微笑むことができるような機会さえあれば。堅苦しく考えないで、できることから始めましょう。