夕暮れ前、野生のカンガルーに遭遇する前に急げ
先週末に、

“Come and get Apricots and Plums!”
という元夫Sのご招待を受け、メルボルン都市部から110㎞ほど離れた田舎へ、季節の果物や採れたての卵を取りに行きました。
その日は、家でなく出先から直行で、Sの家へという計画。

“Try to get here before sunset.
It’s less risk for Kangaroos.”
田舎道で、カンガルーが運転席に飛び込んできて、ドライバーが死亡という事件も珍しくないこの国で、
その危険性を考えつつ、さっさと運転して、Sの家に日暮れ前には到着しようというもくろみでした。
出先で用事を済ませ、スマホのGoogle Mapに、Sの家のサバーブを入れると、道案内の指示が瞬時に出て、
”目的地まで60分”と出ました。
”おおよそ、それ位の時間だろう。OK!と私は、さっさと車の運転を始めました。
だって、目的地まではGPS付きの音声案内が、指示してくれるので。
外気は37cを示している暑い日で、とにかく、早くSの家へ着いて、
グッと冷たいビールでも…という気持ちもあって。
もしかして迷子⁈ 位置確認ができない
運転し始めて、5分もたたない間に、音声ガイドは、私が予想していた反対の方向へと指示し始めました。

あれっ!
そっちなの?
私が知ってるいつもの道と真逆だね~。
でも、違う行き方の方が早いんだろうね。
なんせ60分で着くんだから。
(なんという勝手な解釈)
なんて、思いつつ、わずかに疑問?を抱きながら、でも、既に車は、High Wayを走っているわけで、停まるわけにもいかず、音声指示にひたすら従って、進みました。
途中で、ガソリンが半分以下になっていることに気が付き、次のガソリンスタンドに立ち寄ろうと思っていたものの、左右の景色はどんどん、家がポツポツと少なくなっていき、田舎道に差し掛かろうとしていました。
とにかく、ガソリンスタンドまでは…と、思いつつも、その目指すスタンドの表示がないまま走ること40分。
Highway の横に、広い土地にだだーんと建てられた大きなガソリンスタンドはありました。
やっと、ガソリンを入れて。「ここどこ? 私は一体、どこにいるのかな」と不安になりながら、
スマホのGoogle Mapをもう一度確認してみると、気が付いてしまったのです。



Heathcoteという地域を目指すはずだったのに、私がGPSに打ち込んだのは、Heathcote Junctionという、どっかの地域の小さな交差点。
目的地とただ同名なだけで、関係のない場所。
ガーン。 (⊙_⊙;)
小さなスマホの画面上では、自分がどこにいるのか、全く分からず、車に一応装備していた、
誰もが昔は常備していた分厚い地図本、手でめくる、
”あの古き良き時代に使われていたMelwayと呼ばれる地図”で、確認してみると
北西に向かわなければいけないはずが、北東方面へ来ているらしいことが、
何となくわかりました。
時計を確認すると、この田舎道に車で、既に、1時間弱の無駄にしていました。
「戻った方がいいのかな。」


Where are you?
What!! There is a way to cross over to the right highway but it is too complicated from where you are.
Go back where you were come from and start, again.
Sに(;´д`)トホホの電話をすると、戻った方がいいといわれました。
ガソリンスタンドの店員さんに聞いても、
『よくわからないから、戻った方がいい。』という答えが返ってきました。
(なぜ働いている地元の店員さんが分からないのか?)
スマホのGPSは私の気も知らず、容赦なくしゃべってくる。
”Facing to North East…”
– そのNorthEastがどっちかわからないんだよ!😤😩
スマホに悪態付きながら、道を引き返そうとしていた時、
聞き覚えのある地名を指す看板を発見しました。
1時間かけて、戻ってきた方角へ戻らず、田舎道を突き抜けよう、大丈夫、行けるはず。と
自分の勘 🤣 を信じて、田舎道を北から西方面へ横断することにしたのです。
金曜日の夕方、ド田舎道を走らせる、アジア人のおばちゃん。
前後に走る車はなく、ずーっと広がる高原の中にある道を
走っているのは、たった一台のみ。
などなど、様々な思いを巡らせながら、でも、目は道路上の動物、特にカンガルーが出てこないか注意しながら、
勘を信じてひたすら運転しました。
頼りのスマホ電源も切れそう
水分も補給しつつ、ささっとスマホのGPSを見てみると、何と今度は
頼りにしていたスマホの電池がかなり減っていることに気が付きました。😱
車を道の端に一旦停車させて、Sに短いメールを送りました。
C325線上の道路を北上中で、
多分、あと30分ぐらいで着くはず。
でも電源ないから、これ以上は連絡とらない。以上。
これだけ打っておけば、万が一、何か、あった場合、
捜索隊が私を探しに来るようなことになっても、
大体の位置の予想が立つはずだわ。と、自分を励ましながら。😅
この経験から学び生かそう!
結局、8時過ぎにSの家に無事到着するまで約160㎞ぐらいの距離を走行して、迷子から脱出できました。
私は自分の体内に、通常以上のアドレナリンが駆け巡っているのを感じながら、
到着後、Sが用意してくれていた採れたてのフルーツや、夕食を、
ひたすらムシャムシャと、ほおばりながら、気を静めました。


元夫Sがせっせと育てて甘みたっぷりの絶品。
溶けない/腐らないものを用意しておく。


乾燥していて、広くて、人がいない、でもそこらへんに羊やら、牛やらがぬーっと出てくる道路わきの景色。
This is Australia’s country scenic!
とにかく、土地の広さ、人と車の少なさ、天候、飛び出してくるだろう動物、舗装していない道のコンディションなど、
日本人の常識はここでは通用しないので。
皆さんも、田舎道での迷子にはくれぐれも気を付けましょう~。
そうそう、大事なこと。
田舎道で遭難してしまったときにも、誰かが捜索隊を出して探してくれるように、
出かける時は友人や、家族に行先を告げておいた方がいいでしょう。
冗談でなく、国土が日本の20倍以上もある国なので。💦